ギリシア語には時間を表す言葉に2つあるらしい
1つはクロノス
クロノスとは一定の速度で一方向にのみ進んでいく、時計的な時間で客観的な時間のこと
もう1つはカイロス
カイロスとは人によって、場面によって、速く流れたり、遅く流れたりする主観的な時間のこと
W杯を振り返っている雑誌の記事に
サッカーにおいてはカイロスに対する感受性を持つことが大事だということが書かれていた
![](https://www.sorriso-kumamoto.com/wp/wp-content/uploads/2023/02/IMG_2771-488x650.jpg)
サッカーは22人とそれを取り巻く環境全体が互いに影響を与えていて
クロノスは一定の速さで進んでいくけど
その中で個人個人が感じている時間やその集合体であるチームが感じている時間のカイロスは質を変えている
監督から与えられた戦術だけを遂行しようとプレーしているチームはカイロスに対する感受性が低くなりがちで
相手との関係の中で試合の流れがどう変わろうと常に同じ1つのやり方でプレーする
その典型がドイツやスペイン
日本が前半と後半でやり方を変えてきた時に
数的優位ができていないにも関わらず
前半と同じようにプレーしたことでパニックに陥ってしまって敗退したと書かれていた
そして、日本やクロアチア、フランス、アルゼンチンはカイロスの変化に敏感で
むしろ意図的にカイロスを操って勝利を手繰り寄せたという振り返りの記事だった
すごく単純にいうと、チャンスとピンチに敏感にならないといけないということなんだろうと思う
でも、サッカーをそういう側面で捉えたことはなかったので興味深かった
これからのサッカーは1つのことを最初から最後まで遂行するだけでは勝てない
相手がハイプレスを仕掛けてきたらその裏を取らないといけないし
相手がブロックを敷いてカウンターを狙っていそうなら単純な縦パスは入れない方がいい
試合の中にある多くの“小さな試合”に勝っていかないと勝利は手繰り寄せることはできない
その小さな試合の変化にいかに気づいて相手を上回ることができるかが勝負の際なんだろうと思う
カイロスに対する感受性を磨いていかないといけないなぁと思う
未来にも過去にも触れることはできなくて
未来や過去にばかり気を取られていては
大事なものを見失ってしまう
良い未来にするためには、今この時に集中して最善を尽くすこと
良い過去ってのも、良い未来にするために今に集中した結果で自然に出来上がるもの
結局は、常に今に集中することが大事なんだろうと思う
今は刻々と変わっていてその今を蔑ろにしてはいけないんだろうなぁと思う
その感覚を研ぎ澄ましていかないといけないなぁと思うし
子どもたちにも働きかけないといけない